立命館大学生存学研究センター よりお知らせ

消えた「社会的入院」問題――「重度かつ慢性」基準化で始まる新たな長期入院


チラシ

日時:2017年3月25日(土)13時30分~16時30分 懇親会

場所:朱雀キャンパス3F 308教室

概要
厚生労働省は、「新たな地域精神保健医療体制のあり方分科会」を設置し、精神保健福祉法の改正に向けた議論を進めています。第2回分科会では、平成25年~27年度厚生労働科学研究費障害者対策総合研究事業「精神障害者の重症度判定及び重症患者の治療体制等に関する研究」(研究代表者:安西信雄)の報告が出され、「重度かつ慢性」の基準化についての議論がなされました。「重度かつ慢性」とは、精神科病院での長期在院者の中で機能障害が原因で退院、地域移行できない者とその範囲のこととされています。さて、いわゆる「重度かつ慢性」の基準化は、精神科病院に長期在院している者の置かれている不条理を当該精神障害者の機能障害に原因を帰責しようとするものであり、ひいては精神科医療従事
者が研鑽して実践の水準をあげる機運を下げ、多くの人が指摘する国策の誤りに対しても免罪符を与えるものです。そして、「重度かつ慢性」とされた長期在院患者は、再び精神科病院において長期在院を強いられることになります。どのような重度な障害があろうとも地域で暮らす権利があるわけであり、人間として当たり前に暮らす権利を奪うような基準は阻止されなければなりません。阻止に向けて、多くの人の参加をよびかけます。


13:30 挨拶――
13:40 「重度かつ慢性」基準化の問題点の解説 長谷川利夫(杏林大学)
14:00 長谷川利夫×立岩真也 問題の底流――消えた〈社会的入院〉から〈長期在院〉と「重度かつ慢性」への変遷

15:00 休憩(書籍の販売)
15:15 検討会での議論の持ち方と精神障害者の参画をめぐる諸課題について 澤田優美子(当事者・これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会委員)

15:30 指定発言――野地芳雄(京都精神保健福祉推進連合会)、有我譲慶(大阪精神医療人権センター)
16:10 フロアからの発言
16:30 閉会の挨拶――(立命館大学)


主催:立命館大学生存学研究センター
共催:病棟転換型居住系施設を考える会、全国「精神病」者集団
後援:認定NPO法人大阪精神医療人権センター、京都ユーザーネットワーク、京都精神保健福祉士協会、京都精神保健福祉施設協議会、京都精神保健福祉推進家族会連合会、京都精神神経科診療所協会、病棟転換型住居を考える京都実行委員会

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